12月定例会一般質問「水政策について」が福岡県議会録画中継にアップされている。詳しくはそちらで。 (質問) 本県における水道の目指す姿や実現方法について (知事答弁) 水につきまして、若い苗木を育てることを含めまして、その役割について、いろいろご指摘を頂きました。水道は、県民生活におきまして、最も重要なライフラインの一つだというふうに認識しております。 県と致しましては、まず普及率の向上を図る。それを図りながら、県民に安全な水を安定的に供給できるよう、水道に関わります市町村、それから水道企業団と一体になりまして、水道の広域化を推進するとともに、災害や渇水に強い水道づくりに努めてまいります。 (質問) 福岡県水道整備基本構想の改定と今後の田川地域広域的水道整備計画について 〇策定から20年経過しているが、改定の予定はないのか。 〇今後どのように水道の計画的整備を促進していくのか。 (県土整備部長答弁) まず、福岡県水道整備基本構想と田川地域広域的水道整備計画についてでございます。水道整備基本構想は、県内での広域圏の区分や需要に見合った水源の確保、重要予測などの将来見通しを示したものでございます。 現在、国の要請に基づき県内市町村が地域水道ビジョンを策定するにあたり、水需要の将来見通しについて見直しを行なっている状況であります。この結果を踏まえ県の基本構想の改定について検討して参ります。 また、田川地域広域的水道計画は、水道法により関係市町村長の要請に基づき県が策定しているものでございます。同計画に基づく水道施設整備は着実に進んでおり、現段階で関係市町村から改定についての相談や要請はなされていないのが状況でございます。 (県土整備部長再答弁) 田川地域の広域的水道整備計画でございます。議員ご指摘のとおり、法律上要請を受けて策定する或いは改定することになっています。先程申し上げましたように、現時点では要請はきていませんが、整備計画に規定されました事業につきましては、残事業も含め、国とも協議の上、事業を実施する予定でございます。地域水道ビジョンの策定に伴う将来需要の見通し等に伴いまして、需給計画に変更が生じ、必要が生じた時点で、当然、要請を受けて改訂になると考えています。県としましては、地域水道ビジョンの策定状況等については、施設管理の立入検査時に策定状況の聞き取りを各市町村に対し、現在行なっていますが、それとともに今後とも市町村が参加する研修会を活用して、指導・啓発を行なって参りたいと考えています。 (質問) 田川地域の水道料金について 〇地域の水道料金が高い原因はなぜか。 (県土整備部長答弁) 田川地域の水道料金についてでございます。水道料金につきましては、施設建設に伴う費用、人件費、浄水に必要な経費、施設の維持管理費等を基に水道事業者において設定されております。従いまして、事業者ごとの施設設備の規模や時期、水源の種類の相違などより、事業者間の料金に違いが生じているところでございます。田川地域につきましては、施設の老朽化の進行や小規模施設が散在していることも給水コストに影響していると聞いております。 (県土整備部長再答弁) 田川地域の水道料金の件でございます。現時点での整備計画に定められている水源の関係では、伊良原ダム関連事業が残っています。伊良原ダムの計画的整備に努める中で、水源の広域化等にも努め、安定した水道の供給から高料金への効果も期待できるのではないかと考えています。 (質問) 伊良原ダムの事業費見込みと地元関係団体との協議について 〇平成29年度までの事業費見込み。 〇今後協議が必要な地元関係団体とその対策について。 〇平成29年度完成に向け、ダム本体着工時期について。 (県土整備部長答弁) 伊良原ダム建設事業は、総額約680億円を予定しており、現在設計業務付替道路等の工事を計画的に実施中でございます。地元関係団体との協議でございますが、伊良原ダム建設に当たり、件は事業に伴う損失を補償するため、また、共同事業者であります田川地区及び京築地区の両水道企業団は水利権を取得するため、各々関係河川使用者との協議が必要であります。そのため県は、共同事業者と共に「伊良原ダム水利権調整会議」を設置し、協力して関係河川使用者との協議を行なっております。 これまで伊良原ダムでは、調査及び設計業務、用地取得、付替道路工事などを進めて参りました。現在は、仮排水トンネル設計業務やダム本体着工時に必要な付替道路の工事などを行なっております。今後、設計業務や付替道路工事などの進捗状況を踏まえながら、本体発注時期を検討していきたいと考えております。 (県土整備部長再答弁) 海面漁業補償のお話がございました。海面漁業者の対応につきましては、「伊良原ダム水利権調整会議」の中で検討していく必要があると考えておりまして、今後関係者と協議を進めて参りたいというふうに考えております。それから現在協議が行なっております内水面の漁業者と河川使用者との協議につきましては、現在はまだ協議中でございますけれども、一部団体とは調整が終わっており、また残る団体との協議を鋭意進めている状況でございます。 (質問) アジア環境ビジネスの展開 〇国際環境協力の状況について。 〇現地調査を行なった結果、どういうニーズがあったのか。 (知事答弁) アジアとの環境協力についてのお尋ねがありました。アジア諸地域の環境改善を図っていくために、環境政策を担う中核の行政官を本県に招きまして、我が県が持っております環境技術、ノウハウを活用して廃棄物処理や水質汚濁の改善等に関する人材育成研修を行なっております。友好提携先のうち、ハノイ市や江蘇省とは調査団の派遣、環境改善提案・協議を行ない、環境協力協定を締結したところでございます。本県では、これらの協定に基づきまして、ハノイ市におきましては、住民の環境意識の醸成を担う指導者を育成するために、先方の行政官や教職員の方々を対象としました環境教育の研修に取り組んでいるところでございます。また、廃棄物処分場の技術導入に関しましても、現地調査を行なうなど、検討を進めております。江蘇省との間では、下水汚泥処理などに係ります技術協力を行なうことを合意しておりまして、現在、現地における調査や江蘇省の企業による本県内施設の視察、意見交換を行なっています。また、タイのバンコク都とも環境協力協定を締結すべく、現在協議を行なっているところでございます。こうした取り組みをさらに進めまして、アジア諸地域の環境改善に本県として貢献してまいりたいと考えております。 アジア環境ビジネスに関します、現地調査についてのお尋ねがありました。本県では、県内環境関連企業のアジアへのビジネス展開を図るために、64社、団体からなります「福岡アジア環境協力産業協会」を設立致しております。これを主体にいたしまして、ハノイ市、それから江蘇省に現地のニーズを把握し、ビジネスの可能性を探るための、調査団を派遣しました。その結果、それぞれのニーズにつきましては、ハノイ市では、生活排水、工業排水の垂れ流しによります、湖沼や河川の水質汚濁が非常に深刻になっております。排水処理技術や浄化システムの整備が求められております。今後、こうした現地のニーズを踏まえまして、協議会会員企業との協議を進めながら、具体的なプロジェクトの中身を進め、現地への提案を行なって、本県企業が向こうの環境改善に貢献していく、それとともにこちらの企業にとりましてはビジネスチャンスを増やしていく、それを努めていきたいと考えております。 (再質問) ダム完成に向けた知事の決意について(水利権の取得や関係自治体・漁業組合の同意がなければ本体着工ができないのが原則であり、その認識はお持ちか。完成に向けて危機感を持って取り組まなければならない状況であり、どのように認識しているのか。) (知事再答弁) 伊良原ダム完成に向けて私の思いと言いますか決意ということでお尋ねがあったと思います。伊良原ダムは、治水・利水の両面から非常に必要性が高く、京築、田川両地域の皆様の安全で安心な暮らしを確保するために重要なダムであると考え、事業を進めて参りました。今年の5月でございますが、これも全国に先駆けてでございますけれども、国土交通大臣による補助金交付に係る対応方針の継続決定がなされた訳でございます。事業の新たな段階に進むことが出来た訳でございます。平成29年度の完成に向けまして議員の方からもいろいろご指摘のありました関係者との協議あるいは諸手続き、それも念頭におきまして計画的な事業推進に努めて参ります。
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