神崎聡(こうざきさとし)夢からはじまる
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新型コロナウィルスへの本県の危機管理体制及び知事の政治姿勢(令和2年2月定例会一般質問)

新型コロナウィルスへの本県の危機管理体制及び知事の政治姿勢

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こんにちは。緑友会福岡県議団の神崎聡です。
1年ぶりの一般質問となりますが、新型コロナウィルスについては、緊迫した状況下でありますので、前置きは省き、質問に入ります。
2月29日、安部首相は、新型肺炎に関して、「国民の命と暮らしを守る責任を果たす」と述べられ、感染症対策の体制の立て直しを図り強化する考えを強調されています。感染症対策には医療機関と行政機関の連携が欠かせません。したがって、医療機関と行政機関が機能不全に陥いることは、社会崩壊につながりますから、絶対にあってはならない、阻止しなければならないことだと考えています。そこで知事にお尋ね致します。
最初に、連日の報道で国内感染者が増えていますが、本県の「新型コロナウィルス対策本部」として、どのような活動をされ、その体制は十分機能を果たしているのか、まずお尋ね致します。

知事は、代表質問で検査機器を一台増設し、検査態勢を強化することを明らかにしました。また、感染者は県内12の感染症指定医療機関の66床の他、新型インフルエンザ発生時の協力医療機関87カ所を活用する考えも示されました。また保健所などへの相談件数が2日までに1万4697件に上っているとのことです。
これを受けて、自分は大丈夫なのかとPCR検査を受けたいと希望している方が多くいるのではないかと思います。また、6日からPCR検査を公的医療保険の適用対象となり、民間会社も検査できるようになりましたから、かかりつけ医などに希望者が殺到するかもしれません。
しかしながら、今の段階では、PCR検査の結果には100%正確ではなく、誤差も出ているという報告もあり、偽陽性(ぎようせい)・偽陰性(ぎいんせい)の可能性もあるという見解であります。
これは大変な問題だと考えます。軽微な症状でも希望する人がいたら、できるだけPCR検査を受けさせるべきだという意見もありますが、先ほど申しましたように、PCR検査には誤差がでるという報告がありますから、仮に感染していない人が、陽性という結果になった場合、その方は2週間隔離されてしまいます。その結果、感染していない人が隔離されるだけなく、本来、隔離しなければいけない人が隔離できなくなる可能性も出てくるということです。これが積み重なると、感染症指定医療機関や協力医療機関が持っている病床数や医療関係者のリソースが、無駄に占有されるという事態になってきます。逆に感染している人が、陰性という結果になった場合、これは最悪で、本人は大丈夫ということで普通通りの生活をしますから、本人は気づかずに、多くの人に拡散させてしまう恐れがあります。今、政府は総力を挙げて、ウィルスを封じ込めようとしていますが、これではかえって真逆のことになってしまうのではないでしょうか。
そしてPCR検査結果が、正しい結果が出たとしても、この新型コロナウィルスには、現在のところワクチンも治療薬もありませんから、家で安静にしているか、肺炎と診断されれば、従来の通りの肺炎の治療ということしかありません。
したがって、重篤な人でない限り、PCR検査を受けるということは、本人にとっても、周りの人にとっても、かなりリスクが高くなるのではないかと考えます。知事はどのようなご所見をお持ちなのかお尋ね致します。

県として、検査機器を導入し検査体制を充実させることは、極めて、大事なことです。しかしながら、県民の皆さんが、軽微な症状でもPCR検査を受けられると誤ったメッセージとして受け止めていたら、医療機関はキャパを超え、混乱に陥り、大変な事態になるのではないかと危惧します。
また、今は、感染の連鎖を起こさないことが大事なのに、多くの人がPCR検査に殺到すると、そこで感染することもあるのではないでしょうか。さらに医療従事者が感染すると、そこを閉鎖しなければならなくなり、閉鎖する病院が増えると医療崩壊を招きかねません。
今、大事なことは、医療体制の崩壊を招かないように、知事が県民に対して、PCR検査はどういう症状になった場合にだけ実施すると、しっかり知事ご自身が、メッセージを発信することが何よりも必要だと感じます。知事のご所見をお尋ね致します。

北海道の鈴木知事は、2月28日、この時点で、国内最多の64人の新型コロナウィルス感染者を受け、「緊急事態宣言」を出されました。
現在のところ、本県の感染者数は3名ということですが、感染者が一気に増えることも想定されますから、知事のリーダーシップの下で危機管理を徹底しなければならないと考えます。
特に県行政の停滞や機能不全に陥らないためには、県職員は一人も感染者を出さない、職場には感染者を一人も入れないといった知事の強い覚悟と決意が必要であります。
新型コロナウィルスを含む感染症対策の基本は、「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」ですが、それだけで県行政は大丈夫でしょうか。県庁出入口にサーモグラフィーカメラを設置するなど入館者の体温を測定し、感染拡大を防ぐことも考えなければならないと思いますが、県職員及び県庁内の危機管理はどのようになっているのかお尋ね致します。
県職員に感染者が出た場合には、濃厚接触者の検査体制はどこまで行われるのでしょうか。また、職員が風邪の症状や37.5度以上の熱が出た場合、どのタイミングで登庁を禁止するのか、あるいは家族が同様の症状の場合には、県職員はどのような対応をするのか、きちんと県職員向けの感染症対策マニュアルは整備されているのでしょうかお尋ね致します。

今、日本は、国を揺るがす危機的状況にあります。したがって、本県としても、知事がリーダーシップを発揮して頂き、県並びに県内60市町村と医療機関が連携し、ありとあらゆる対策を講じなければならないと思います。
クラスタ・集団感染を阻止し、県行政が機能不全に陥ることは絶対にあってはなりません。知事、待ったなしの状況です。まずは、県庁内からの取り組みが、県全体の大きな指針となり、基本となります。新型コロナウィルスを封じ込めるためには、今の対策のまま本当によろしいんでしょうか。集団感染阻止に向けた知事の覚悟と決意をお聞かせ下さい。

安部首相は、「ここ1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となる。今からの2週間程度、国内の感染拡大を防止するため、あらゆる手を尽くすべきである、そのように判断致しました。」と述べられました。一国の首相の覚悟と危機感がヒシヒシと伝わってきました。総理の心の叫びを、私たち一人ひとりが汲み取り、この未知の生物である新型コロナウィルスに総力をあげて戦わなければならないことを、肝に銘じまして、私の一般質問とします。ご清聴ありがとうございました。

知事答弁

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問 新型コロナウイルスに係る対策本部の活動とその体制について
○ 武漢に渡航歴のない日本の方の感染が、1月28日、29日と続けて2名報告されたことを受け、30日に私を本部長とする「福岡県新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置した。
○ 対策本部では、感染症拡大防止のため、丁寧な手洗いの励行や咳エチケットの県民への呼びかけ、県主催のイベントや集会の開催中止または延期、県有施設の臨時休館、学校の臨時休業などの全庁的な対策を迅速に講じている。

問 PCR検査について
○ 国が示した、発熱や息苦しさなどの症状に該当する方について、まずは、保健所に設置する「帰国者・接触者相談センター」に相談いただくようお願いしている。
○ この相談センターでは、相談者の状況を丁寧に聞き取り、国の示した目安に沿って確認を行い、感染の疑いがある場合には、県内の医療機関に設置した「帰国者・接触者外来」に連絡し、受診につなげている。
○ 「帰国者・接触者外来」において、医師が新型コロナウイルス感染症の疑いがあると診断した場合には、保健所に相談する。その上で、保健所の要請により、医師が検体を採取し、現在、県内に3か所ある保健環境研究所でPCR検査を適切に実施している。昨日までに、全県で451件を実施し、その結果、陽性となった3名以外は全て陰性となっている。なお、3名のうち1名は陰性が確認され、今月6日に退院している。
○ また、今回の国の措置によって、PCR検査については、3月6日に保険適用となり、民間会社も検査できるようになった。
このため、検査を受けられる対象者は「帰国者・接触者外来」の医師が新型コロナウイルス感染症の疑いがあると診断した場合と、従来と変わらないが、今後、県内3か所の保健環境研究所に加えて、民間会社においても、PCR検査が行われることになる。

問 PCR検査に係る県民へのメッセージについて
○ 発熱や息苦しさなどの症状に該当する方がセンターに相談し、「帰国者・接触者外来」の医師が新型コロナウイルス感染症の疑いと診断した場合に検査することを、これまで、県のホームページやSNSにより、情報提供を行うとともに、県内市町村等を通じて、周知を図ってきた。
○ 引き続き、県民の皆さまに、PCR検査に至るまでの流れについて、しっかり理解していただくよう、繰り返し発信をしてまいる。

問 新型コロナウイルスに対する県職員及び県庁内の危機管理について
○ 県では、職員に対し、手洗いや咳エチケット等の徹底を図るとともに、人混みの多い場所への外出は控えること、発熱等の風邪の症状が見られる場合には、自宅で療養するよう、繰り返し注意喚起を行っている。また、所属長に対しては、職員の健康状態の把握に努め、体調が悪そうな職員については、休暇等の取得を促すよう指示している。
   ○ 県庁舎においては、出先機関も含め、庁舎の入口にアルコール消毒液を設置している。また、入口のほか、執務室、エレベーターに「感染症対策」を、トイレや湯沸室など手洗いを行う場所には、「正しい手の洗い方」を表示している。さらに、執務室の定期的な換気についても、注意を促している。
○ これらに加え、通勤時の公共交通機関での混雑を避けるため、2月28日から、県庁及び県外事務所、並びに両政令市にある出先機関に勤務する職員については、時差通勤の運用を拡大している。
○ こうした取組みを着実に行うことによって、県職員への感染防止を図っていく。

問 濃厚接触者の検査体制について
○ 感染が判明した場合には、県庁や出先機関の所在地を管轄する保健所が調査を行い、感染者と2メートル程度の距離で、対面で会話するなど、濃厚接触者と認められる場合には、PCR検査を実施し、感染の有無を確認する。

問 県職員又はその家族に症状が出た場合の対応について
○ 職員に発熱等の風邪の症状が見られる場合には、自宅で療養するよう指導している。
また、職員の家族に同様の症状が見られた場合には、職員に対し、感染予防策を徹底するよう指導するとともに、家族への検査が必要となった際には、当該職員を自宅で待機させることにしている。なお、家族が陽性と判定された場合には、職員も検査を受けることとなる。
○ 感染症には、はしかや新型インフルエンザなど様々な種類があり、感染経路やその予防策もそれぞれ異なることから、感染拡大防止のための必要な情報については、マニュアル形式ではなく、その都度、通知を発出し、職員への周知徹底を図っている。

問 集団感染阻止に向けた知事の覚悟と決意について
○ 庁内で集団感染が発生した場合には、県民サービスの低下を招き、県民の皆様の生活に支障を来たすおそれがある。このため、先程申し上げたとおり、職員の感染を防ぐため、できる限りの対策を講じてきたところである。引き続き、これらの対策に着実に取り組み、県庁における集団感染を阻止していきたいと考えている。

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