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令和3年決算特別委員会〜ロケツーリズムによる国内外からの誘客について

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決算特別委員会(令和3年10月6日)商工部議案審議(全文掲載)
(ロケツーリズムによる国内外からの誘客について) 緑友会 神崎 聡

おはようございます。緑友会の神崎聡です。
私事で大変恐縮ですが、実は先月の9月20日、私の誕生日だったんですが、59歳となりました。私が初めて県議選にチャレンジしたのが44歳の時でしたから、ちょうど15年も前のこととなりました。
その時のリーフレットを見てみますと、政策の一つとして、“地域の資源を活かした観光産業の促進 第二の故郷づくり”を掲げていました。
「観光は光を見る」と書きます。21世紀に最もふさわしい産業であります。
また、自分の後半のもう一つの人生を、自分の一番暮らしやすい所で過ごす。これこそが本当の観光ではないでしょうか。まだ炭鉱というと何となく暗いイメージがありましたので、炭鉱から観光へ。「健康、環境、観光」という新しい3K産業を創出したい。そんな想いで県議選に挑戦したわけであります。
そこで本日は地域振興、観光振興の一助となる「ロケツーリズムによる国内外からの誘客について」質問してまいります。

問1 新型コロナウイルス感染拡大によって、本県の観光産業も大きな影響を受けています。そこで、新型コロナの県内宿泊者、旅行消費への影響について、日本人と外国人のそれぞれ、新型コロナ前の状況との比較で説明をお願いします。

(観光政策課長答弁)
○ 国の統計によると、令和2年の県内宿泊者数は、日本人が997万人と、コロナ前の一昨年と比較して約4割減、訪日外国人は、入国制限等により令和2年4月以降、皆減に近い状況となっています。
○ また、令和2年の県内旅行消費額は、日本人が、前年比約6割減の2,979億円、訪日外国人は、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年4月から国は調査を中止しており、公表されていませんが、宿泊者数と同様、皆減に近い状況と考えられます。

問2 今の説明では、インバウンドは皆減状態ということですが、県では、インバウンド観光客について、いつ頃コロナ前の状況に戻ると見込んでいるのかお尋ねします。

(観光政策課長答弁)
○ インバウンドの回復時期については、コロナ感染症やワクチン接種の状況、各国の渡航規制や我が国の入国制限の状況、また、航空会社の路線再開など多くの要因があり、見込みを立てるのは大変難しいところであります。
○ 国連世界観光機関(UNWTO)の発表では、国際観光市場の回復について、当機関の専門家委員会のほぼ半数の方が、コロナ前の令和元年(2019年)の水準に戻るのは、2024年以降になると予測しています。この予測を踏まえ、私どもとしましては、インバウンドがコロナ前の状況に戻るのは、令和6年(2024年)頃になるのではないかと考えております。

問3 国際機関の予測では、インバウンドが本格的に戻るのが令和6年、2024年頃になるとのことでありますが、その際には、日本国内の地域間競争だけでなく、全世界での観光客の争奪戦が繰り広げられると思います。福岡を選んでいただくためには、いかに福岡の情報を魅力的に、効果的に発信できるかにかかっていると思います。
そこで、その有効な手立てとして、映画やドラマのロケ地を訪ね、その地域の風景と食を堪能し、人々の”おもてなし”に触れ、その地域のファンになることで、ロケ地となった地域の持続的な観光振興の取り組みにつながる「ロケツーリズム」を提唱したいと考えます。
まず、福岡県を舞台とした映画やドラマなどを活用した国内外からの誘客について、県のこれまでの取り組みについてお尋ねします。

(観光振興課長答弁)
○ 県では、これまでも、福岡県を舞台として注目を集めた映画やドラマについて、その舞台となった場所を県の観光情報サイト「クロスロードふくおか」やパンフレットで紹介するとともに、旅行会社に対して旅行商品化を促すため、情報発信を行ってきたところです。
○ また、インバウンド向けとして、タイ語の観光パンフレットの中で、北九州市の河内藤園や福岡市の舞鶴公園などタイのドラマの撮影スポットを紹介しています。このパンフレットをタイで開催される旅行博で活用するとともに、県のインバウンド向け観光情報サイト「VISIT FUKUOKA」にも掲載し、広く情報発信を行ってきたところです。

問4 これまでの取り組みは分かりました。一方で、一つのドラマや映画の観光資源としての賞味期限は2年ぐらいと言われています。つまり、ロケ地情報をはじめとする県内の観光資源の情報をつかんで、それをタイミングよく発信していく必要があるということです。県として、今後どのように情報発信に取り組むのかお尋ねします。

(観光振興課長答弁)
○ 今後も県内の豊かな自然や景観など、まだ十分に知られていない地域や魅力ある観光資源を市町村とも連携して、掘り起こし、それを動画や県の観光情報サイト、SNS、観光情報パンフレットなどで紹介してまいります。
○ 映画のロケ地をPRすることは、権利関係により一定の制限が生じることもありますが、注目を集めた作品については、これまで同様に、その舞台となった場所やその周辺の観光スポットを、観光サイト、SNS、パンフレットなどで発信してまいります。

問5 各地域のフィルムコミッション、ロケ誘致に積極的に取り組んでいる市町村もあります。ロケ地をはじめとする県内の観光資源の情報を国内外のターゲット層にしっかり届けていただきたいと思います。そのためには、特にコロナ禍においては、デジタルの有効性が一層増しているのではないかと考えます。そこで、デジタルを活用した情報発信について、昨年度の取り組みをお答えください。

(観光振興課長答弁)
○ 国内向けには、これまで取り上げてこなかった隠れた観光スポットを旅行者目線で紹介した観光PR動画「ふくおか避密の旅」において、福智町の「平成筑豊鉄道の運転体験」や、赤村の「源じいの森」などを紹介し、SNSなどにより広く発信しました。
○ また、インバウンド向けには、県内観光地の魅力をよく知る県内在住の留学生などにご協力いただき、英語や中国語などそれぞれの国の言葉で安全・安心な福岡の魅力を伝えるための動画を制作し、往来再開時には、福岡に来ていただけるように、インバウンド向け県観光情報サイト「VISIT FUKUOKA」などで発信したところです。

問6 福岡県が舞台となった映像作品の舞台を、国内外に発信し、ロケ地となった地域の魅力を伝えることで、ロケツーリズムが国内外からの誘客に有効であると私は考えます。また、本県の魅力をデジタル活用によってターゲットに応じた情報を発信していくことは、本県の観光振興に大いに寄与していけると考えます。こうした取り組みを通じて、国内外からの誘客に繋げていただきたいと思います。
9月定例会に補正予算として添田町・英彦山のロケ誘致のための市場調査が提案され、議決しました。また来春には、ドキュメンタリー映画として、添田町・英彦山の山伏とアメリカのインディアンとの交流も企画されています。今後、英彦山が舞台となる海外の映像作品が誕生した際には、コロナ収束後の国内外からの誘客への起爆剤になるやもしれません。 ところで課長は「鬼滅の刃」をご存じでしょうか?

(観光振興課長答弁)
○ はい、映画を観ました。世界的に有名な作品です。

問7 ご多分にも漏れず、私も全巻読みましたが、実は「鬼滅の刃」の鬼滅とは、英彦山山系の岳滅鬼岳(がくめきだけ)・岳滅鬼山(がくめきさん)ではないのかと噂が広がっているのをご存じでしょうか。
岳滅鬼山は、鬼滅の逆の漢字を書きます。
山名の由来は、「(悪業の報いとして餓鬼道に落ちた亡者)餓鬼の心を滅する」から来ていると言われています。
英彦山の鬼杉や一晩にして作ったと言われる鬼の階段、鬼の割れ石など英彦山や求菩提山、修験の山には鬼にまつわる伝説が数多く残っています。
英彦山の御祭神は、天照大神の第一子、天忍穂耳命(あまのおしほみみのみこと)です。つまり天照大神の子ども、「日の子どもの山」、「日の子の山」、これが「日子山(英彦山)」の由来です。
鬼滅の刃では、唯一、鬼を倒せることができるのが日輪刃ですが、どう考えても鬼滅の刃は、この「日の子の山」つまり「英彦山」をモデルにしているのではないかと考えてしまいます。
主人公の竈門炭次郎の師匠の鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)の天狗の面は、英彦山天狗を連想させますし、「花の呼吸」の使い手の栗花落カナヲ(つゆり・かなを)の手に乗っている蝶は、日本で唯一の渡り蝶といわれるアサギマダラではないでしょうか。アサギマダラは英彦山にも飛来してくる蝶です。
そして、主人公の竈門炭次郎の竈門ですが、もともと英彦山は、平安時代末期に編まれた「梁塵秘抄」(りょうじんひしょう)という歌謡集に記されています筑紫の霊験所「竈門の本山『彦の山』」としても紹介されています。
作者の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏は福岡県出身であることから、英彦山の修験道や鬼伝説などの歴史に精通していてもおかしくありません。
鬼滅の刃は、世界的なヒット作品となっておりますので、もし英彦山がその聖地だとすれば、これは世界の観光名所になりうるのではないかと思います。
部長、「鬼滅の刃」を詳しく調査・研究して、調査・研究っていうのは、漫画を熟読し、一番いいのは、やはり作者に聞くのが一番ですが、それで「ふくおかの避密の旅」ならぬ「ふくおかの鬼滅の旅」の企画を検討されてはどうでしょうか。
部長、最後に、県内の観光産業は、新型コロナの影響を受けているところでありますから、国内外からの誘客を図ることによる観光振興に向けた部長のお考えを伺います。

(商工部長答弁)
○ 県では、旅行先を検討する国内外の方々に、本県を選んでいただけるよう、県内の豊かな自然や景観など、まだ十分に知られていない地域や魅力ある観光資源の発掘、また、それを情報発信していくという取組を行っております。
○ また、その中で、福岡県を舞台として注目を集めた映画やドラマについては、舞台となった場所や周辺スポットを観光サイトやSNSなどで発信してきたところです。
○ 特に、コロナ禍においてはデジタルを活用した情報発信、それも、これまで取り上げてこなかった隠れた観光スポットや、ドローンを使った空撮などこれまでと違う角度や視点での動画で、本県の魅力を伝えていく、こういう取組が大事だと考えております。
○ 今後とも、本県の魅力を国内外の方々に、いろいろな工夫をしながら、PRに取り組み、新型コロナウイルス感染症の影響を受け減少した観光需要を喚起していき、観光の振興にしっかりと努めてまいります。

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