養蜂業の皆さんとの懇親会
養蜂の現状と対策 ←PDFはこちらからです。
毎年、田川地域の養蜂組合総会後の懇親会にご案内を頂き、意見交換をさせて頂いている。令和元年9月定例会において、緑友会福岡県議団代表質問で「養蜂業の振興について」取り上げた。当時の質問と知事答弁は以下の通りだったが、養蜂の現状と対策について意見交換させてもらった。
(令和元年9月代表質問〜神崎質問)
施設園芸農業におけるハチの活用や養蜂業の振興についてお尋ね致します。
日本での本格的な養蜂が始まるのは明治時代になってからで、それまでの二ホンミツバチを利用した伝統的手法から、多採密で群の勢いが強いセイヨウミツバチの移入と巣箱、人工巣礎、蜜蜂分離器の発明により技術が確立され、それらを導入することで現在のような近代養蜂が発展することになりました。
本県でも、養蜂が各地で盛んに行われ、全国でも有数の蜂蜜の産地となっております。また、県内の養蜂家は、本県の主要な園芸品目であるイチゴや柿などの果樹の栽培に必要な花粉交配用のミツバチを安定的に供給するなど、本県の園芸農業の振興に多大な貢献をしています。
そこで知事にお尋ね致します。現在、県内の養蜂業の実態はどうなっているのかお聞かせ下さい。また、養蜂振興法では、届出によって飼育情報を得て、都道府県が適正な蜂群の適正配置をする考え方でありますが、飼育届を提出せず、勝手に巣箱を置く、いわゆる趣味で養蜂をしている者もいると聞いています。県ではどのような対応をとっているのか、また、沖縄県では適正な蜂群配置のため、独自の養蜂場マッピングシステムを確立しており、関係者がパソコンでリアルタイムに蜂場の位置を確認できると聞いていますが、本県では、養蜂家のミツバチの飼育の状況や蜜源の状況により、蜂群配置に係る調整をどのように行っているのかお聞かせ下さい。
養蜂におけるミツバチについては、2000年代より、働きバチのほとんどが女王バチや幼虫を残したまま突然いなくなり、ミツバチの群が維持できなくなるという事例が問題となりました。その原因は、病気、ダニ、農薬などの可能性が指摘されています。国内でも2008年から2009年にかけてミツバチが減少する事例が起きたころから、農林水産省が、農薬とミツバチの被害発生との関連性について、平成25年度から27年度の3年間調査をしております。その結果、農薬が原因と疑われるミツバチの被害については、水稲のカメムシを防除する出穂期・開花期に多く、その防除に使った殺虫剤にミツバチが直接暴露したことが原因の可能性が高いことが分かりました。
そのため、全国の市町村ではネオニコチノイド系農薬の規制を求める意見書も提出されているところです。
本県でも、その時期にミツバチに影響のある、農薬の使用を避けるようにJAの稲作歴に反映させ、農家への指導を徹底するとともに、養蜂家へ防除時期の情報を提供していると聞いておりますが、ミツバチが減少しないよう今後とも対策の徹底をお願い致します。
(知事答弁)
本県の養蜂業については、現在、239戸において、約9千群のミツバチが飼育されており、この群数は、全国5位となっている。
ミツバチの飼育にあたっては、養蜂振興法に基づき、毎年、飼育期間、場所、群数を記載した飼育届を県に提出することになっている。
このため、飼育を始める方に対し、この届出について周知を図るとともに、未提出が判明した場合は、速やかに届出を行うよう指導している。
また、県では、提出された飼育届を取りまとめ、その情報を全ての養蜂家に提供している。そのうえで、6農林事務所毎及び県域で、県と養蜂家による会議を開催し、蜜源の競合が起こらないように、群の配置を調整している。
(神崎質問)
一方で、農薬の問題以上にミツバチが直面している課題が、植物の減少です。ミツバチが栄養源を得るための資源である花が減れば、当然ミツバチの繁殖は減少していきます。ミツバチが健全に繁殖し、群数や個体数を保てるような環境を構築することでミツバチ減少問題の解決につながっていくと考えます。
そこで知事にお尋ね致します。大切な蜜源植物の確保やミツバチの衛生など、養蜂業を続けていくうえでの課題が生じており、地元の養蜂家からも今後の経営について不安の声が上がっております。本県の養蜂業の振興について、どう取り組まれるのかお尋ね致します。
「ミツバチが地上から死滅したら、その後、4年で人類は滅ぶ」という言葉があります。ミツバチから恩恵を受け、その恩恵に対する報い方を考え、人間とミツバチの共存関係を深めていかなければなりません。
(知事答弁)
本県の養蜂業は、ハチミツを生産するだけではなく、あまおうなどの栽培に欠かせない花粉交配用ミツバチを確保するうえで、重要な役割を果たしている。
このため、県では、養蜂家が飼育するミツバチの群数に見合った蜜源の確保と衛生対策を進めている。
具体的には、県と養蜂家による協議会において、国の補助事業を活用し、蜜源植物であるれんげやモチノキなどの植栽に取り組んでいる。
また、伝染病の発生・まん延による群数の減少を防ぐため、家畜保健衛生所が、全ての養蜂家に対して、毎年、巣箱のミツバチの衛生検査を実施するとともに、巣箱や器具の消毒、ミツバチに寄生するダニの駆除など、衛生的な飼育管理を指導している。
今後とも、こうした取組みにより、本県の養蜂業の振興を図ってまいる。
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2024/03/12 06:19
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