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令和6年決算特別委員会〜県内市町村の職員確保に向けた県の取り組みについて

決算特別委員会(令和6年9月26日)企画振興部議案審議(全文掲載)
(県内市町村の職員確保に向けた県の取り組みについて) 自民党県議団 神崎 聡

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自民党県議団の神崎聡です。本日は、県内市町村の職員確保に向けた県の取り組みについて質問致します。
今議会の我が会派の代表質問において、「県職員の人材確保に向けた対策について」知事に質しましたが、優秀な人材の確保が困難な状況は、市町村においても同様に生じています。地元自治体の中には、若手職員が次々と辞めていくなど、状況は県よりも切実であり、必要な行政サービスが今後も維持していけるのか、大変危惧されるところであります。
そこで、県内市町村における採用試験の競争率及び退職者の状況について、予め執行部に資料をお願いしていますので、資料要求の取り計らいをお願い致します。

資料について説明をお願いします。

問1 資料について説明をお願いします。

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(行財政支援課長答弁)
〇 この資料は、県内市町村の採用試験における競争率と普通退職者の状況についてまとめたものである。
国が調査している直近10年間、平成25年度から令和4年度までの数値を集計し、県内4地域ごとに比較している。
〇 競争率は全体的に減少傾向にある。なお、地域的には福岡地域が他の地域に比べ、高い傾向にある。
なお、平成25年度の筑豊地域の競争率が14.3倍とかなり高い値となっている。
これは、嘉麻市が、従来の教養試験に替え、当時全国的にもまだ珍しかった面接と適性検査のみの試験を導入したことが評判となり、受験者数が例年の約10倍に増加したことによるものである。その後、同様の試験を実施する自治体も増えてきたことから、近年は受験者数も落ち着いてきているとのことである。
〇 次に、退職者については、定年退職や勧奨退職を除く、いわゆる中途退職者数の推移となっているが、全体的に増加の傾向がみられるところである。

問2 今説明があったように、県職員同様、市町村職員においても受験者数は減少傾向にあり、特に福岡地域以外ではその傾向が顕著であります。また、中途退職者についても増加傾向にあります。全国的な人手不足のなか、民間企業における採用が好調とは言え、このような公務員の人材不足の状況が生じている要因はどのようなことが考えられるかお尋ね致します。

(行財政支援課長答弁)
〇 受験者数の減少や中途退職者数の増加の理由について、直接県内市町村に対し調査したものはないが、一般的には、
・民間企業における初任給の引上げや採用活動の活発化・早期化
・採用試験のための準備の負担が大きいこと
・やりがいと結びつかない長時間労働やカスタマーハラスメント等、職場環境の魅力の低下
などが言われている。

問3 今、公務員の受験者の減少や中途退職の増加といった人材不足の理由の一つとして、民間企業の給与水準について説明がありましたが、公務員と民間企業でどの程度の差があるのか。また、改善の動きはどうなっているのかお尋ね致します。

(行財政支援課長答弁)
〇 人事院によると、本年4月分の国家公務員給与と民間給 与との格差は、国家公務員が民間を平均11,183円下回っている。このため、人事院では、人材確保の観点等を踏まえ、初任給や若年層の給与を大幅に引き上げるなど、若年層に特に重点を置いた引上げ改定を勧告している。 〇 また、これまで市町村単位であった地域手当が、今後は、原則都道府県単位に変わる見込みである。これにより、田川圏域をはじめ、これまで支給率0%であった地域においても地域手当の支給が可能となり、さらなる給与水準の向上が期待される。

問4 わかりました。市町村には、是非給与の引き上げや福利厚生の充実を進めてもらい、例えば、住宅手当や交通費の支給額の見直し、職員向けの健康管理プログラムの導入などによりよい、職員の生活の安定を図り、長期的に働き続けられる環境を整えてもらいたいと思います。
次に採用試験方法の工夫についてお尋ね致します。
民間企業への就職と異なり、公務員は「試験の範囲が広く勉強が大変」、「ふるさとの自治体に受験のために帰省することが負担」との声は、私もよく聞くところであります。優秀な人材が民間に流れないよう、もっと受験しやすい採用試験の実施が求められます。先ほどの資料説明の中でも、「嘉麻市が採用試験の内容を見直したことにより受験者の大幅な増加につながった」との話がありましたが、このように、県内市町村において、試験方法について工夫されている例がありますか?あればお聞かせ下さい。

(行財政支援課長答弁)
〇 今年7月に県内市町村に対し、採用試験の実施方法について調査を行ったところ、約9割の団体で何らかの多様な試験方法の工夫が行われていた。
〇 その主なものとしては、
・受験申し込みのオンライン受付、WEB面接の導入等の採用手続きのデジタル化
・SPIなどの適性検査の導入
・年齢上限の引上げ
・試験会場の管外設置
などがあったところである。

問5 採用試験の充実・工夫が各自治体において行われているようですが、特に取組を行っていない市町村もあるようですし、まだまだ工夫の余地がある市町村もあるのではないでしょうか。
県内の他市町村の取組状況等を参考にさらなる改善が図られるよう、優良事例の共有が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

(行財政支援課長答弁)
〇 委員のご指摘を踏まえ、今回の調査結果について内容を整理し、今後、県内市町村に対し、優良事例等についての情報提供を行ってまいる。

問6 人材確保に向け、市町村も採用試験の見直し等に取り組んでいますが、それにも自ずと限界があり、市町村の努力だけでは人材不足の解消は難しいと思います。特に専門人材については、市町村単独での確保は困難な場合が多いと考えられます。このような場合、広域自治体である県が市町村を補完する機能を担い、支援していくことが必要であると考えます。市町村における専門人材の確保に向けた県の支援についてお尋ね致します。

(行財政支援課長答弁)
〇 市町村の専門人材の確保に向けた県の補完・支援として、
・デジタル化に取り組む市町村へのDXの専門家派遣
・医師不足が深刻なへき地等の公的医療機関への医師派遣などの取組を行っている。
〇 また、本来、市町村が徴収すべき個人住民税について、県職員が滞納整理を行い、直接徴収する事務代行の取組なども行っている。
〇 これらの取組内容については、毎年、最新情報をとりまとめて県内市町村に提供し、積極的な活用を働きかけているところである。

問7 次に、職員の確保にあたっては、職員がやりがいをもって働くことができる魅力ある職場環境を整備することも重要であります。そのためには、長時間労働の是正やカスハラ対策等に加え、職員のモチベーションをいかに維持・向上させるかも大切であります。例えば、職員が地域のNPO活動で報酬を得るといった兼業を柔軟に認めることは職員のスキルアップ、キャリア形成の面でも有効と考えます。このように職場の魅力向上を図ることは、離職者の減少に効果があるとともに、就職希望者の増加も期待されます。
これに関連し、昨年から定年が段階的に引き上げられ、新たに「役職定年制」が導入されていますが、高齢期職員のモチベーションの低下が懸念されるところであます。役職定年後の高齢期職員には、どのような役割が期待されているのか、また、モチベーションを持続させるための取組についてお尋ね致します。

(行財政支援課長答弁)
〇 役職定年後の職員については、これまで培ってきた多様な知識や経験を活かし、ライン職のサポートや、後輩職員の困難業務の処理について指導助言を実施するなどの役割が期待されているところである。
〇 県では、これまで、市町村が定年延長制度を円滑に導入できるよう、県内を8つの地域に分けての勉強会を開催するとともに、市町村の組織体制や年齢構成など、それぞれの固有の状況から生じる課題について個別の相談に応じてまいった。
〇 今年度は、専門家を講師に招き、「昇給抑制及び定年引上げに伴う高齢層職員のモチベーション維持と働き方について」と題した研修会を今月19日に開催したところであり、今後も、高齢期職員が意欲を持って活躍し、組織全体の活力を維持・向上できるよう、支援を行ってまいる。

問8 職員のモチベーションアップのためには、各種研修による人材育成の取組も有効であると考えます。これにより、職員の能力はもちろん、やる気・意欲も高まり、ひいては市町村全体の行政能力の維持・向上にもつながっていくんじゃないでしょうか。
市町村職員に対する人材育成については、昨年度予算における新規事業として、市町村が直面する政策課題の解決に向けた「課題解決型研修」が行われていますが、その実施状況及び成果についてお聞かせ下さい。

(政策支援課長答弁)
〇 課題解決型研修については、市町村が直面する課題の中から、「地域公共交通」と「こどもの居場所づくり」の2つのテーマを選定し、昨年10月から本年7月まで、全6回ワークショップ形式で実施した。
〇 19市町の職員と庁内の関係課職員が参加し、講師からは政策立案にかかる基礎的知識を、それぞれのテーマに即した専門家からは、現状、課題や解決方法及び先進事例等を講義していただいた。
〇 講義を受け、各グループごとに政策案の検討を重ね、最終回では研修に参加した市町のみならず、現地参加やオンラインにより、他の市町村に対しても、政策案の発表を幅広く行い、共有した。
〇 このように、各市町の職員が、課題解決型研修で学び議論した政策案が、県内市町村の政策として具体化及び実現につながるよう、庁内関係課と連携し、支援してまいる。

問9 民間企業に勤めていました私も、異業種交流や企業グループ内研修で、ワークショップのように参加者の主体性を重視した体験型の講座、グループ学習、研究集会など、同じ課題に向けてアイデアを出し合い、議論をしていくことが、大変効果があり有効な能力向上であると認識しています。
課題解決型研修については、職員のスキルアップが進み、業務の効率化やサービスの質の向上につながるものと思います。今年度もしっかり取り組んでいただきたいと思います。
このほか、市町村職員の能力向上に資する取組があればご説明をお願いたします。

(行財政支援課長答弁)
〇 県では、市町村及び県職員の人材育成の一環として、相互の人事交流や市町村職員の実務研修生としての受入れを実施している。交流・受入れを行う市町村については、過去の実績や地域バランスを勘案し、できるだけ偏りが生じないよう選定している。
〇 このような取組により、異なる環境での経験や視点から地域を再認識し、行政施策に反映できる幅広い視野を持った市町村職員の育成を支援している。

問10 ここまで、市町村における人材の確保・育成の状況や県の取組について、お伺いしてきました。
冒頭申し上げたように、市町村とりわけ地元田川郡のような過疎地域では、職員の人材不足は切実な問題であります。小規模自治体になればなるほど、少ない職員で広範な事務を担当し、大量の業務をさばいていかなければならないのが実態であります。このような自治体において「受験者が集まらない」「離職者が多い」などの事態が生じ、欠員でも生じれば、最低限の行政機能の維持も危ぶまれます。ましてや、行政サービスの充実・向上などは、望むべくもありません。
市町村職員の人材確保は、一義的には人事行政として各市町村が責任を持って取り組むべきことではありますが、やはり小規模自治体の取組には限界があり、県によるさまざまな支援が不可欠であります。 市町村振興局は、市町村が抱える多様な問題をきめ細かく支援していく役割を担っているものと承知しています。そこで、市町村振興局長に、市町村職員の人材確保に向けた強い思いをお聞かせ下さい。

(市町村振興局長答弁)
〇 委員御指摘のとおり、民間企業も含めた人材獲得競争が激しくなる中、小規模市町村、過疎地域の市町村では、人材の確保が非常に厳しくなっている。
私が、市町村長や職員の皆様とお話をする中でも、優秀な人材の確保が難しくなり、将来の行政サービス維持に不安があるという声をお聞きしている。
〇 市町村におかれては、人材の確保・育成のため、採用試験の工夫、職場環境の改善、職員研修の充実などに取り組まれている。しかしながら、単独の市町村では対応が難しいことも多くあり、県でもさまざまな支援を行ってきた。
〇 偏に人材の確保・育成といっても、市町村によっては、DX等の専門人材を確保したい、あるいは職員の中途退職を止めたいなど、その実情はさまざまである。
私ども市町村振興局では、個々に異なる市町村の実情をしっかり把握し、それぞれの市町村に適した対応策についてきめ細かく助言していく。
○ また、県だからこそ実施できる課題解決型研修など各種研修を充実させ、実務研修生の受入れも積極的に行い、市町村の行政サービスが将来にわたり維持できるよう取り組んでいく。


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