平成29年度当初予算を伴う2月定例会が3月28日で閉会した。2月24日からの33日間という長い議会だった。昨年6月定例会に続き、今年度2度目の代表質問の機会を頂き、そんな機会は滅多にないことで、本当に有り難い事だと感謝している。
2017年度当初予算は総額1兆7,209億円、前年度4.5%減となっているが、政令市へ小中学校等の教職員給与負担が移譲されたためで、移譲の影響を除く、人件費・社会保障費・公共事業費・行政施策費など、いわゆる政策経費の規模は、前年度より1.3%147億円増となっている。特別会計の総額は5,840億円余、企業会計の総額は111億円余。 歳出予算は、社会保障費が子ども・子育て支援の拡充や高齢化の進展により、109億円の増。公共事業費は、財政改革プランに沿って、県単独事業費を抑制しつつ、事前防災・減災対策に補助・直轄事業を確保し、42億円の増額となっている。 歳入予算は、輸入品に課税する地方消費税の減収などに伴い、県税及び地方消費税清算金が281億円減、小中学校等の教職員給与負担の政令市への移譲に伴い、地方交付税が281億円の減。収支均衡を図るため、財政調整基金等三基金から45億円を繰り入れている。 また、2017年度末の県債残高は、過去最大の3兆5,544億円となる見込み。 主要施策として、 1.「景気の回復と魅力ある雇用の場の創出」引き続き商工会議所、商工会などが行うプレミアム付き地域商品券の発行を支援するほか、消費者への面接調査を行い、企業が開発した試作品の製品化を支援する。12月定例会で一般質問した(田川地域のポテンシャルを活用した医療・福祉機器産業の振興)医療・福祉機器の予算も新規で確保している。また、6月定例会代表質問でIoT関連予算も盛り込まれた。 2.「農林水産業の競争力」収益力の向上について、園芸農業における省力機械、施設に加え、新たに日本一の価格で取引される県産大豆の増産に向けた施設の整備に対し助成を行う。 3.「本県の魅力発信と観光の振興」外国人観光客の受入環境を整備するため、北九州空港を利用する外国人を対象とした県内周遊旅行商品の造成を行うほか、旅館・ホテルが外国人を接客する際に利用できる多言語対応コールセンターの設置、福岡市内と県内温泉を結ぶ外国人が利用するシャトルバスの試験運行に取り組む。 「出会い、結婚、子育て、就職・仕事の支援」「女性や高齢者の活躍の応援」「ふくおか未来人材の育成とスポーツの推進」「安心して生活できる共助社会の実現」「安全・安心、災害に強い県づくり」が予算に盛り込まれている。 条例議案は「福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例」「福岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」「福岡県公の施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」「福岡県職員、公立学校職員及び警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」3件、「県立学校及び市町村立学校職員の定数並びに本県警察官の定員を改める条例、関係法令の一部改正に伴い所定の規定の整備を行う条例」6件。
小川知事は、「県民幸福度日本一」を目指し、新たに策定する福岡県総合計画及び福岡県人口ビジョン・地方創生総合戦略の目標を具現化するため、諸政策課題に全庁を挙げて取り組むとしている。また、いろいろな課題や問題を抱えている方々に寄り添う「温かみのある行政」により一層力を入れると述べているが、しっかり検証しながら、改めるべきは改め、推進すべきは加速化させるように緊張感をもって、議会として役割を担っていきたいと思う。
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