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令和3年決算特別委員会〜令和3年8月豪雨において被災したJR日田彦山線軌道敷きについて

決算特別委員会(令和3年10月8日(金)) 総括質疑(全文掲載)
(令和3年8月豪雨において被災したJR日田彦山線軌道敷きについて)緑友会 神崎 聡

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おはようございます。緑友会の神崎聡です。
8月11日から降り続いた令和3年8月豪雨において被災したJR日田彦山線の運行休止区間での軌道敷きの災害について質問します。
JR九州は、九州で降り続いた大雨による被災状況では、在来線の久大線や佐世保線での線路変形、停車中の車両の浸水が起きたほか、各地の路線で広範囲に土砂流入や倒木などが発生し、被害は15路線の128件に上ったと発表がありました。
私の地元、添田町では8月15日未明、民家の裏山が崩れ、流れ込んだ土砂で70代女性の下半身が埋まり、自宅に閉じ込められた状態になりました。女性は山の斜面に近い一室で就寝中、流れ込んだ土砂に襲われ、倒壊した柱に足を挟まれて身動きがとれなくなり、自ら携帯電話で110番通報したとのことでした。
警察や消防は家屋の倒壊など二次災害を防ぐため、手作業で慎重に土砂を取り除く一方、派遣された医師が点滴をし、声をかけ続けながら救助作業を続け、通報から約18時間後の午後7時半ごろに助け出されました。女性は足首を骨折していましたが、命に別状がなく、本当に良かったと思います。
私も当日現場に駆けつけ、そして二日後に地元の方の案内で被災現場に行きました。また一週間後の8月22日には服部知事も現場視察され同行させて頂きました。土砂崩れは住宅裏の竹林で発生し、日田彦山線の線路土台がえぐられ、線路が十数メートルにわたって宙に浮いたようになり、土砂は住宅をかすめるように流れ落ち、主要地方道八女香春線の道路も完全に塞いでいました。
そこでお尋ね致します。

問1 この土砂災害の概要を簡単に説明してください。また、この被災現場近くでは、どの程度の降水量があったのでしょうか、併せてお答えください。

(総務部防災危機管理局防災企画課長答弁)
○ この土砂災害は、8月15日の午前1時半頃発生し、民家1棟、空き家2棟、消防団格納庫などを巻き込むとともに、この民家の横にある県道八女香春線を越え、彦山川にも土砂が流出しました。
被災現場近くの降水量でございますが、気象台が設置した添田町の観測所では、8月11日から18日までの8日間で、平年の8月の月間降水量の3倍を超える714ミリの降水量を観測しました。
このうち、8月12日から14日までの72時間雨量は、観測史上最大となる574ミリを観測したとのことです。

問2 崩壊した部分は、線路より山側の農地(茶畑)から始まっており、JR軌道敷き路体の盛土が一体となって、短時間のうちに一気に土砂の崩壊が発生したと添田町役場から聞いています。
  それが県道八女香春線を越え、彦山川まで流れていました。そのため、現場の県道八女香春線が全面通行止めとなりましたが、その道路被害の状況と通行止めの期間を教えてください。

(県土整備部 道路維持課長答弁)
○ 添田町の県道八女香春線におきましては、山間部から道路上に土砂が流入したため、8月15日から通行止めを行いました。
通行止めを早期解消するため、道路上の土砂撤去など実施しました。地元建設業者が昼夜を問わず作業を行い、令和3年8月17日に通行止めを解除しております。

問3 昼夜を問わない作業により迅速に復旧いただき、地域の方々も大変喜んでおられました。私からも謝意を申し上げます。
地元では一日も早い復旧を望んでおられます。現在、地元関係者や添田町とJR九州で復旧に向けた協議が行われており、その際、県の飯塚農林事務所も同席しているとお聞きしています。
この協議がうまく進展し、被災地域が一日も早く復旧・復興へと向かうためには、県のサポートも必要であります。この協議に農林事務所は、どのような立ち位置で参加されているのかをご説明いただいた上で、今後、どのように係わっていかれるのか、お答えください。

(農林水産部 農村森林整備課長答弁)
○ 飯塚農林事務所は、JR九州との協議に際して、添田町から「復旧工法など技術的助言のために立ち会ってほしい」との依頼を受けたため、オブザーバーという立場で助言を行っているものであります。
今後とも、復旧が行われるまで、町からの要請に応じて、必要な技術的な助言を行ってまいります。

問4 添田町においては、技術職員が少ないなどの状況もありますので、引き続き、県からのサポートをお願いしておきます。
鉄道(線路)の下を横断するように布設されている管路があります。この管路のことを伏びと言うんですが、本来なら、伏びによって排水される沢からの水が、予定外の方向へ流れたために盛土が崩壊したのではないかと聞いています。今回の災害の要因をしっかり調査しなければならないと考えます。
JR日田彦山線が不通になって丸4年となりました。被災区間は、現在、代行バスによる輸送が行われているところですが、現在鉄道施設の点検はどのように行われていたのかお答えください。

(企画・地域振興部 交通政策課長答弁)
○ JR九州によりますと、日田彦山線の災害に伴う不通区間につきましては、近接する道路や踏切から、主に徒歩による目視により、盛土のひび割れや陥没等の変状の有無等について、年3回点検を実施していたとのことでございます。
これらに加え、大雨特別警報が発出された場合は、毎回同様の手法で点検を行っていたと聞いております。

問5 年3回点検を実施し、大雨特別警報が発出された場合も、点検を行っていたとのことですが、実際に災害現場を目の当たりしますと、それだけでは住民の安心・安全は担保できないと思います。
平成29年に被災する前は、列車が毎日運行していましたから、何らかの異変があれば運転手が気づき、危険性を把握し、報告していたのではないでしょうか。年3回と特別警報時の点検だけで、本当に大丈夫なんでしょうか。それはちょっとなぁ〜と私は思います。次に進みます。
BRTの開通後、JR九州は、廃線後の線路や盛土等の鉄道施設を今後どうする考えなのか、また、その管理をどうしていくのか、県が把握している内容をお答えください。

(企画・地域振興部 交通政策課長答弁)
○ JR九州からは、BRTの1日も早い開通に向けて、BRTで使用する既設ホームの改修や専用道部分の道路工事等に注力しているところであり、添田駅から彦山駅区間の鉄道施設につきましては、今後どのようにしていくのか、順次検討していくと聞いております。
また、その管理につきましては、先月、所有者として、適切に行っていく必要があるとの認識を確認し、今後も適切な維持管理を行うよう要請を行ったところです。

問6 JRの認識はわかりましたが、被災現場付近は急傾斜地の崩壊による「土砂災害特別警戒区域」に指定されています。災害発生によりJR軌道敷きの路体が流出していますが、被災前は軌道敷きが堤防の役目をしておりました。
線路より山側は特別警戒区域(レッドゾーン)、線路より下方は警戒区域(イエローゾーン)となっていました。
BRTによって使われなくなったJR日田彦山線の軌道敷きは山地に並行して、山裾に盛土によって形成されています。その盛土のすそ野に民家が点在していますから、今後も同様の災害が発生する可能性があります。
住民は、今後、同様な土砂崩れが発生しないか不安に思っています。住民の不安を解消するためには、JR九州において、廃線後の鉄道施設の管理が適切になされるよう県から働きかけを行うべきと考えますが、部長の所見をお尋ねします。

(企画・地域振興部長答弁)
○ 委員からは、添田町の皆さんが、今後同じような土砂崩れが起きないか、不安を抱いており、JR九州がしっかり管理を行うよう、県から求めるべきとのご指摘がありました。
○ JR日田彦山線は、平成29年の九州北部豪雨以来運休し、現在BRTでの早期復旧や沿線地域の振興に取り組んでいるところですが、沿線にお住いの住民の皆様は、今後廃線跡がどうなっていくのか心配されていると思います。
○ 住民の皆様が安全・安心に不安なく暮らせることは、非常に重要であると考えております。
○ 課長が先ほど答弁したとおり、廃線後の鉄道施設の適切な維持管理について、要請を行ったところでありますが、今後も県として、改めて、しっかりJR九州に申入れを行いたいと考えております。

(知事保留)委員長、ことは県民の生命と財産にかかわることですので、知事保留質疑のお取り計らいをお願いします。

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