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令和6年決算特別委員会〜授業の質を担保するIT活用について

決算特別委員会(令和6年10月2日)教育委員会議案審議(全文掲載)
(授業の質を担保するIT活用について) 自民党県議団 神崎 聡

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本日は、「授業の質を担保するIT活用について」質問いたします。
ご存じの通り、近年、教育現場では、「教員不足」が深刻な問題となっています。新学期がスタートする段階で、基準通り教員が配置できていなかったり、年度途中での育児・介護休業などによってお休みされる方々の代わりになる教員の配置が追い付かなかったりなどのケースが多く見受けられます。
教員不足が及ぼす影響は深刻で、また、教員は授業以外にも保護者の対応、事務作業、学校行事の準備など、多岐にわたる業務を抱えていますから、教員の過重労働を軽減し、持続可能な働き方を実現するための改革は急務であることはご承知のとおりだと思います。
こうした状況においては、教職経験の浅い教員にとっては、授業力のある先輩教員の授業をじっくりと見て、その技を学ぶといった本来重要であるはずの「経験の中での教員の学び」の実現が、難しくなっているのではないでしょうか。
様々な対策を講じられているのは承知しておりますが、このように学校教育を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。そのような中でも子どもたち一人一人が未来の切り拓く人財として、資質・能力を身に付け、先行き不透明な社会を生き抜くことができるよう、学校現場において質の高い授業を担保することは不可欠であると考えます。そこで、伺います。

問1 学校教育を取り巻く環境が変化する中で、経験の浅い教員が自身の授業実践力を磨くために、県や市町村において、どのような取り組みを行っているのか、現状についてお尋ね致します。

(義務教育課長答)
〇授業実践力の向上のために、県主催の研究発表会や初任者研修の授業研修会等を開催し、教師の指示や発問に対する児童生徒の反応を参会者自身の目線で観察、協議できるよう、会場校に集合して実施しています。
〇市町村においては、教員が希望すれば、市内の他の学校に1日留学という形で赴き、経験豊富な先輩教員や授業力の高い教員の授業を参観したり、ノウハウを尋ねたりする機会を設けるなどの取組を行っているところもあります。

問2 実際に研究発表校や授業研に参加して、優れた教員の授業を参観することが効果的であることは承知しています。しかしながら、業務多忙で出張する余裕のない教員のことも考えますと、オンラインでの同時配信やオンデマンドで研究授業を参観できるようにするなどの工夫が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

(義務教育課長答弁)
〇コロナ禍では、研究授業を別会場にいる教員に対し、オンラインで同時配信し、ズームなど双方向性のあるアプリを活用して研究協議を行うなどの工夫をし、授業研究会を実施しておりました。
〇県教育委員会指定の研究発表会については、集合しての参加を呼びかけつつ、業務の多忙さや会場校が遠方にあるなどのため参加が難しい教員も参加できるよう、コロナ禍の成果を生かし、オンライン配信についても検討してまいります。

問3 おっしゃるように、私も、コロナ禍ではオンラインを活用して授業の質を向上させる取組が進んできたのではないかと思います。そこで、コロナ禍では、授業の質を担保するために、どのような取組を行っていたのかお答え下さい。

(義務教育課長答弁)
〇一斉臨時休業中は、家庭学習用に、教員が学習動画や学習プリントを作成して児童生徒に提供するといった工夫を行っている学校がありました。
〇学校再開後は、学級、学年閉鎖になった際、学校からオンラインで授業を配信し、自宅で授業を受けることができるようにしていた学校もありました。

問4 そのような取組には、どのような成果と課題があったでしょうか。

(義務教育課長答弁) 〇成果としては、オンラインを活用した授業づくりが進み、例えば、児童生徒にとって一度見たり聞いたりしただけでは理解が難しい技能や説明を、一人一台端末を活用して繰り返し視聴できるようにするなど、動画コンテンツを活用した学習が進みました。
〇課題としては、例えば、画面越しの指導になるため、児童生徒の理解度の把握や、つまずいている児童生徒に対する個別指導が難しく、あらためて担任の役割の重要性がわかりました。

問5 このような成果と課題を踏まえつつ、ITを活用した授業の質を高める取組が必要ではないでしょうか。その際、直接、児童生徒の指導・支援にあたる担任の役割は欠かせないものであり、冒頭申しあげたとおり、教職経験の浅い教員が指導力の高い先輩教員の授業を見て学ぶことは重要であると思います。
例えば、経験豊富な教員が、遠隔授業として配信しつつ、配信先の学級では経験の浅い教員が児童生徒を指導するといった授業スタイルは効果的と考えますが、県内外にこのような事例はあるのでしょうか。

(義務教育課長答弁)
〇県内の義務教育段階における事例としては承知しておりません。
〇県外では、茨城県が中学校外国語科や技術科などの特定の教科で、質の高い教育を実現するために高度な専門性をもつ人材や優れた指導力をもつ教員がエリア内の複数の学校に授業をオンラインで同時配信するという取組がなされていると承知しています。

問6 このような茨城県の取組についてどのような見解をおもちでしょうか、また、茨城県への視察や調査研究をされましたでしょうか。茨城県の取組を踏まえた今後の方向性をお聞かせください。

(義務教育課長答弁)
〇優れた指導力をもつ教員の授業を見ることは、教科書等の教材分析の仕方や授業の進め方などのモデルとして、自らの授業改善にも生かすことができ、大変有効であると考えております。
〇今後、茨城県の取組について調査し、その効果や課題を把握した上で、高度な専門性をもつ人材や優れた指導力をもつ教員の授業配信などについて研究してまいります。

問7 また、優れた指導力をもつ教員の授業を録画して蓄積し、教員が活用できるようにすることは、授業力の向上に有効であるとのことですが、県内外にはこのような事例はあるのでしょうか。

(義務教育課長答弁)
〇県内では、県教委が算数、数学の問題を解くポイントの説明動画や英語の会話の実演動画を作成しており、それらを若年教員の授業や児童生徒の家庭学習、校内外の教育支援センターの個別指導等に生かすよう促しております。
〇県外では、茨城県において、国語、算数・数学、英語、理科、社会の動画を作成しており、それらを授業や児童生徒の家庭学習に生かすことができるようにしている事例を承知しております。

問8 このような取組についてどのような見解をおもちか、またそれを踏まえた今後の方向性をお聞かせください。

(義務教育課長答弁)
〇本県でも取り組んでいるように、優れた指導力をもつ教員の授業動画コンテンツは、若年教員の授業改善や、児童生徒の家庭学習、校内外の教育支援センターの個別指導等に生かすことができるものと考えております。
〇今後は、市町村教育委員会のニーズを把握しながら、取組の充実を図って参ります。

問9 教員不足の解消に向けてさらに取組を進めていくのは当然ですが、一年一年、子どもたちは成長していますし、毎年進級し進学し、子どもたちは待ってくれません。今の状況の中で、教員の授業力を高めていく事が急務だと考えます。 本気で学校教育の改革に取り組まないと手遅れになってしまいます。これまでのやり取りを踏まえたようなパイロットスクールやモデル校を作っていくべきと考えます。この点を含め、教員の授業力を高めていくことについて、副教育長としての本気度をお示し、決意を伺います。

(副教育長答弁) 〇学校を取り巻く状況が変化する中、子供と向き合い、学ぶ意欲や、向上心を育み、一人一人の可能性を伸ばしていく教育を充実させていくことが重要であると考えます。そのため、授業力をはじめ、児童生徒の心を動かす資質と実践力を高めていくことが教員には求められます。
〇今後、他県の先進事例の効果や課題の研究を進め、また、市町村教育委員会のニーズも把握しながら、経験の浅い教員を含め全ての教員が、授業力を高めていく取組を検討してまいります。

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