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12月定例会自民党代表質問(半導体産業関連の振興について)

12月定例会の自民党代表質問の中で、「半導体産業関連の振興について」について知事に問い質された。これは先の決算特別委員会(令和6年10月3日)総括質疑審議において、「半導体産業の振興と人材育成について」(自民党県議団 神崎聡)令和6年決算特別委員会〜半導体の振興と人材育成について質問を受けて、改めて知事に対して、半導体産業関連の振興について問うもの。今後の福岡県にとって大きく飛躍する可能性を持つ半導体関連は、来春に知事選挙を控える知事にとっても大変重要な取り組みの一つであると考える。

問 「新生シリコンアイランド九州」の実現に向けての取組について

○ 「企業誘致」については、まずは半導体「後工程」世界最大手であるASE社の誘致を何としても実現すべく、北九州市と連携し、全力で取り組んでまいる。このASE社の進出が実現すれば、既に熊本県に進出したTSMC社と合わ せ、サプライチェーンを構成する企業の進出が大いに期待できる。このため、受け皿となる産業団地の整備を市町村と連携して戦略的に進めるとともに、県議会のご理解を得て限度額を大幅に引き上げた「企業立地促進交付金」などの企業誘致施策も活用して、半導体関連企業の更なる誘致を進めてまいる。
○ 次に、「県内半導体関連企業への支援」についてである。半導体人材を育成するため「福岡半導体リスキリングセンター」を昨年8月に開設し、県内中小企業には受講料を全額補助している。受講者の約半数が県内企業であり、新人教育や技術者の技能向上に活用され大変好評をいただいているところである。今後も、ニーズを的確に把握しながら受講プログラムを充実させ、半導体人材の育成に努めてまいる。また、県内企業の技術の高度化を図るため、一昨年度に、グリーンデバイス関連製品開発に対する助成制度を創設し、新たな技術や製品の開発を支援している。さらに、半導体の実装分野で設計から試作、評価・解析まで一貫して支援する国内唯一の公的機関である「三次元半導体研究センター」において、三次元実装をはじめとする最先端技術に関する企業の研究開発を支援している。こうした支援を受けた企業の中には、
・半導体検査装置の性能や精度をAIを活用して評価する機器を開発した企業・既製品に比べ、約5倍の耐久性を持つ新たな半導体材料の開発に成功した企業など、技術の高度化や新製品の開発につながった例が出てきている。今後、ASE社の誘致が実現すれば、県内企業の優れた技術や製品をPRする場を設けるなど、取引拡大に向けた取組を強化してまいる。
○ 最後に、「県内企業の新規参入促進」についてである。県では、半導体技術に精通したアドバイザーが県内企業に対し、新規参入のアドバイスや具体的なビジネスマッチングを行うとともに、新製品開発には、先程申し上げましたグリーンデバイス関連製品開発に対する助成制度の活用を促している。さらに、販路拡大を図るため、「セミコン台湾」「九州半導体産業展」などの国内外の大型展示会への出展を支援している。こうした支援を受けた企業の中には、
・高度なめっき加工技術を活かして半導体分野に新規参入した企業
・国内唯一の高圧プレス機を転用し、半導体製造装置の部材製造に新規参入した企業
・「セミコン台湾」への出展をきっかけに、超精密金型技術が評価され、海外企業との大型商談に繋がった企業
などの例が出てきている。
○ こうした取組を通じ、本県の半導体関連産業のさらなる集積と振興を図り、「新生シリコンアイランド九州」の実現に貢献してまいる。

問 将来の半導体産業を支える人材の育成について

○ 県では、まず、若い世代にテクノロジー分野に興味関心をもってもらうため、中学校段階から、数学・理科が好きな生徒を育てるための授業づくり研修や、科学的な思考力・表現力を問う「科学の甲子園ジュニア」などを実施している。 高校段階では、情報教育におけるプログラミング実習の充実や、九州大学と連携した「ふくおか高校生知の創造塾」などを実施することにより、半導体分野で求められる論理的思考力や課題解決力の育成に取り組んでいる。
○ また、半導体分野により深く興味を持ってもらうため、昨年度から、進路選択期の中高生を対象に、キッザニア福岡や九州大学、県内の半導体メーカーとの連携による「テクノロジー人材創生塾」を開催し、
・最先端研究を行う大学教授から半導体の仕組みや活用例について学ぶ講座、
・世界トップレベルの技術を持つ県内半導体工場における職場体験、
・半導体を使った新サービスを議論するアイディアソン
などを提供している。
○ さらに、半導体関連産業の求める技術・技能に対応できる人材を育成するため、県立工業高校において、半導体関連企業への工場見学やインターンシップ、高度熟練者による実習指導などを実施している。加えて、今回の産学官連携協定を締結したことにより、学校だけではできない実践的な学習がより一層充実するとともに、今年度、八女工業高校に新たに整備した燃料電池自動車を活用し、パワー半導体や車載半導体などの半導体技術について学科横断的に学習することができるものと考えている。併せて、半導体分野への就職や理工系大学への進学を促進するため、普通科を含め全ての高校で、半導体関連企業など県内技術系企業の魅力や将来性を紹介する教員研修を実施することとしている。
○ 今後も、県が実施する特色のあるこれらの取組を進めるとともに、若い世代に、大きな成長が期待される半導体分野を将来の選択肢のひとつとして加えてもらえるよう、産業政策を担う知事部局と学校教育を担う教育委員会とでしっかり連携し、さらなる人材育成策を検討してまいる。


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